コラム

COLUMN

セラミックという素材について

歯科治療で、歯を修復するために広く使用されているセラミックという素材

1970年から歯科治療でセラミックが使用されるようになったのは、実は古代から人類が使用してきた素材の一つです。

 

最古のセラミック製品は紀元前29000年頃のモロッコから発見されています。

セラミック製品は、この時代に作られた遊牧民が水や食料を保管するために使用されました。

 

中国では食器や茶木として

古代エジプト人は神殿や墓の装飾品として

 

近代では、航空宇宙、自動車、医療機器、電子機器など、幅広く使用されています。

多くの文化や生活スタイルに根付いており、セラミック製品は、人類の暮らしに密接に関わってきました。

 

セラミックが、金属やプラスチックなどの従来の材料に変わる歯の修復素材として広く使用されるようになったのは1970年ごろです。

 

当時、セラミックは歯冠の表面に塗布する目的で使用されていましたが、強度や耐久性が向上したことにより、歯冠そのものを作るための材料として使用されるようになりました。

 

タッパーにカレーを入れると色や匂いがなかなか取れないように、プラスチックは物質を吸着してしまう材料です。口腔内のプラスチックも同じ理由で経年的に着色や匂いが生じてきます。

 

それに対し、セラミックはカレー皿の陶器です。

セラミックは表面に微細な孔が存在せず、非常に密度の高い素材で、汚れがついても表面に残りづらいので、洗うと簡単に元通りになります。さらに油や水などの液体も浸透しにくく撥水性があります。

 

耐久性があり、金属と比較して自然な見た目を持ち、熱や冷たいものに対して敏感に反応することがないため、歯の感覚を損なう心配がありませんが、完全に汚れが着かないわけではありません。

 

トイレ掃除をさぼると、陶器でできた便器に黒ずみが着くように、セラミック歯も手入れを怠ると汚れや黄ばみが着くことがあるので、注意が必要ですよ。

 

金属アレルギーの方でも安心して治療ができます。さらに歯冠や歯科インプラントにとどまらず、歯の根管治療やホワイトニングなど、幅広い分野に拡大しています。

 

以上のように、セラミックは歯科治療にとって非常に重要な素材です。今後も技術の進歩により、より高度な治療に使用される事が期待しましょう。