むし歯のイメージは「黒い」「穴があく」などが一般的だと思いますが、
初期むし歯は真逆です。
「穴があいていない」「痛みのない」自覚症状がないまま進行するむし歯です。
健康な歯は、つやのある白色、なめらかな手触りをしていますが、
初期むし歯になるとつやがなくなり濁った白色になります。
どうして濁った白色になるのか?
①飲食後、歯の表面にプラーク(最近の塊)が付着し、
プラーク内の細菌が糖を分解して酸をつくり、つくられた酸がプラークの中に充満する。
②酸の作用により、歯のエナメル質を構成している結晶の中から
歯の成分(リン酸やカルシウム)が唾液中に溶けだす。
③中の成分がさらに溶け出し、結晶内に気泡のようにスカスカの部分ができ、
やがて表面がボロっと削れて穴のあいたむし歯になる。
このように、歯の成分が溶け出し、スカスカの部分ができ、
この部分が光の屈折によって白く濁って見えるんです。
初期むし歯はプロの目で見ないとわかりません。
見つけるためには、プラークを綺麗にとり、
唾液を乾かしてから歯の表面を観察します。
また、過去の受診時の写真と変化を見比べてむし歯かどうかの判断をします。
歯と歯の隣あった部分を調べるにはレントゲンを撮ることもあります。
初期むし歯が中くらいのむし歯になるのは半年から1年程度です。
中くらいのむし歯から神経に届くまでの進行速度は倍くらいになります。
では、どうしたら初期むし歯を防げるのでしょうか?
①丁寧な歯磨き
歯医者さんへ検診に行き、ブラッシング指導によって
学んだ方法で毎日歯磨きをしまょう。
1歯1歯丁寧に磨くことで、プラークや歯石が溜まることもなくなります。
②長時間お口の中に食べ物を入れない
ダラダラと食事をする習慣があると、むし歯菌の活動が活発になり、
初期むし歯が発生しやすいです。
間食の回数が多くなることでも初期のむし歯のリスクが上昇し、
本格的なむし歯に進行しやすくなるため要注意です。
③シーラント
奥歯の溝などプラークが溜まりやすい部位にプラスチック(レジン)を詰める予防処置です。
歯の表面が滑らかになるので、プラークが溜まりにくくなります。
一般的には、乳歯の奥歯や生えたばかりの永久歯で行われます。
初期むし歯ができてしまったら?
①プラークを取り除く
歯磨きの仕方や食生活を改善して、
お口の中に長時間プラークが溜まらないようにしましょう。
②クリーニング
定期的に歯医者さんへ行って、歯ブラシでは取れない汚れや歯石をとってもらいましょう。
③フッ素塗布
フッ素配合の歯磨き粉を使って歯を磨いたり、フッ素塗布をしてもらい、
フッ素による再石灰化を促進し、エナメル質の結晶構造を改善させます。
初期むし歯の早期発見にはぜひ歯医者さんへ行きましょう。
もし初期むし歯が見つかっても挽回は可能です。
穴のあいたむし歯にならないように、一緒にケアをしていきましょう。