コラム

COLUMN

インプラントの「長い」歴史

 

 

 

失った歯に対する治療法といえば

入れ歯、ブリッジ、インプラントの3つの方法があります。

 

その中でも、インプラント治療はテレビCMなどで耳にすることが多くなり、

聞いたことがある方も多いと思います。

 

また、歯を失うことは、人類にとって古くからの問題です。

歴史的に見て、人々は様々な方法で歯を置き換えようと努力してきました。

 

 

 

インプラントの歴史

 

インプラントの歴史は意外と古く、紀元前にまでさかのぼります。

 

インカ帝国のペルーでは、歯が抜けたところに

エメラルドの歯根が植えられたミイラが見つかっており、トルコや中国では象牙や石、

貝殻を抜けた歯の代わりとしたインプラントが見つかっています。

 

また、エジプトでは象牙の歯が植えられた人骨が見つかっていたり、

古代ギリシャでは、権力者が奴隷の歯を抜いて、

自分の歯の抜けたところに埋めていたという記述があるそうです。

 

しかしこれらのインプラントは実際に

自分の歯の代わりとして使われていたのかは定かではありません。

 

死者への装飾や儀式、死後の世界で不便がないようになどの

願いが込められていたのかもしれませんね。

 

歯として機能した最古のインプラントは、

紀元前7世紀頃のマヤ族の20代女性だと考えられています。

 

この女性の下あごの前歯に、真珠貝が埋め込まれており、

歯石がついていることと、エックス線検査によって貝と骨との結合が一部認められました。

 

このことから、成功した最古のインプラントと言われています。

 

このように、比較的新しい治療法と思われているインプラントですが、

実はかなり以前から選択肢の一つとして存在していたことがわかります。

 

しかし、この方法には欠点がありました。

 

自然の歯と比べて長持ちしなかったり、

対応する大きさと形状を見つけることが難しいので、違和感が生じたり、

自然な感覚を再現することが難しかったのです。

 

麻酔もなく、技術もなく、成功率があまり高くない治療であったがために、

歯の代替品としての治療は入れ歯へと傾いていきます。

 

それでも人類はインプラントをあきらめませんでした。

 

鉄、金、サファイア、ステンレス、アルミニウム、

様々な材質で作られたインプラントが見つかっています。

 

時は流れ、初めて人工歯根の開発に成功したのは1960年代です。

チタンによるこの発明は、歯科医療の分野で大きな改革をもたらしました。

 

 

 

【まとめ】

 

インプラント治療は、歯を失った人にとって

最も効果的かつ持続的な治療法の1つとして広く使用されています。

 

今、私たちが手にすることができる、自然な感覚を取り戻せる

【インプラント】

それは、古代人の夢。

 

人類にとって、夢の治療法だったのですね。