歯みがきをしていて、歯ぐきから出血したこと、ありませんか?
「力をいれすぎただけかな?」と思って放置してしまいがちですが、実は大切なサインの一つでもあります。
一時的なものなら大きな心配はいりませんが、繰り返し出血する場合は要注意。歯だけでなく全身の健康に深く関わるサインかもしれません。
出血の主な原因
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歯肉炎・歯周病
歯と歯ぐきの間にプラーク(食べ残し等の細菌のかたまり)がたまると、歯ぐきに炎症が起きて赤く腫れます。この状態が「歯肉炎」で、出血の最も多い原因です。
放置すると炎症が深く進み、歯を支える骨まで壊される「歯周病」へと進行。歯を失う最大の原因になっています。
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間違った歯みがき方法
硬めの歯ブラシでゴシゴシ強く磨くと、歯ぐきが傷ついて出血することがあります。歯みがき方法の見直しが必要です。
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ホルモンバランスの変化
妊娠中や思春期、更年期はホルモンバランスの影響で歯ぐきが腫れやすく、出血しやすい状態になります。
妊婦さんの場合は「妊娠性歯肉炎」と呼ばれることもあります。
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全身の病気や栄養不足
糖尿病、白血病、肝臓病などが関係していることもあります。
また、ビタミンC・鉄分不足が原因で歯ぐきが弱くなり、出血しやすくなることも。
出血をそのままにするとどうなる?
・歯周病の進行
歯を支える組織が壊れ、歯ががグラグラし、最悪の場合は抜けてしまうこともあります。
・全身への悪影響
歯周病菌が血流に入り込むと、動脈硬化・心臓病・脳卒中のリスクを高めるといわれています。
・妊娠への影響
妊婦さんでは、歯周病による炎症が早産や低体重児出産のリスクを高めることが報告されているため、妊娠中の定期歯科検診をしっかり受けることが推奨されています。
正しいセルフケア
・歯ブラシは“やわらかめ”を選ぶ
毛先を軽く当てて、小刻みにやさしく動かしましょう。
・歯間清掃を習慣に
歯ブラシだけではどうしても歯と歯の間の汚れはとれません。フロスや歯間ブラシで歯と歯の間の汚れを除去を習慣付けましょう。
・食生活を見直す
野菜や果物からビタミンCを摂り、鉄分不足にも注意しましょう。
・規則正しい生活
睡眠不足やストレスも免疫力を下げ、炎症を悪化させます。
免疫力を保つ生活を心がけましょう。
歯科医院でできること
・プロのクリーニング(PMTC)
自分では落とせない歯石やバイオフィルムを除去。
・歯周ポケットの検査
出血の原因が軽い歯肉炎によるものなのか、進行した歯周病によるものなのかを確認。
・生活習慣やブラッシング指導
自分に合ったケア方法を専門家が丁寧に指導してくれます。
まとめ
歯みがき中の“出血”は、口からのSOSです。
「ちょっと血がでただけ」と見逃さず、正しいケアと定期的な歯科の受診で大切な歯と健康な体を守っていきましょう!