「むし歯が自然治癒する」というのは、唾液にはむし歯によって失った歯の成分を回復(修復)させる力があり、脱灰が始まったばかりのごく初期の状態であれば、唾液の力で修復することができます。この現象を“再石灰化”と呼ばれます。
脱灰が進み歯に穴が開いてしまうと、再石灰化によって歯が自然に回復することはありません。
(再石灰化のためにはフッ下物の使用やプラークコントロールが重要です。)
また、すでに痛みが出る状態にまで進行したむし歯の場合は進行が止まったり、自然治癒したりすることはありません。
状態によっては一時的に痛みが治まることもありますが、痛みが治まったからといって治療を先延ばしにすることは適切ではありません。
むし歯は進行すればするほど治療が難しくなり、その結果歯を失うリスクが高まります。
放置する期間が長くなるほど歯の寿命を縮める
むし歯は自然治癒することがなく、放置すると徐々に進行していく病気です。
放置する期間が長くなると神経を抜く治療(抜髄)や抜歯が必要になり、歯の寿命を縮めることにつながります。
早期に治療を始めるほど歯を守ることにつながるため、少しでも症状がある場合は放置せず、早めに歯科医院を受診するようにしましょう。
なお、むし歯の予防と早期発見のためには、症状がなくても定期的に歯科医院を受診することも重要です。
お口の中の細菌の数
- 歯磨きの時間
1回の歯磨きの時間は長いほうがよく、通常3分以上をめどに行うことが望ましいです。
- 歯磨き後のうがい
歯磨き後に過度にうがいをすると、フッ化物やそのほかの有効成分が洗い流され、効果を十分に発揮できません。
歯磨き後は、歯磨剤を吐き出さずに少量の水(10mL程度)を口に含み、うがいをして吐き出すだけにしましょう。
参考文献 クインテッセンス nico