国民病の一つである「歯周病」
今や日本人の30代以上の3人に2人は歯周病と言われています。
皆さん、歯周病は大人がなるイメージがありませんか?
実は子どもも歯周病になる可能性があるのです。
通常、子どもの場合は歯周病の初期段階である歯肉炎になることが多いのですが、お口の中の衛生状態が悪いと歯周病(歯周炎)のリスクが高まります。
もちろん、子どもで歯周病にかかる割合はとても低いです。ただ、永久歯に影響を及ぼさないためにも子どもの頃からのケアはとても大切です。
今回は歯周病になる前の歯肉炎についてお話したいと思います。
歯肉炎はどうやってなるのか
お口の中に滞在している細菌のかたまりとなるプラーク(歯垢)が歯肉の炎症を引き起こします。
どんな状態が歯肉炎なの?
お子さんの歯茎にこのような症状はありますか?
・歯みがきのときに、歯茎から出血している
・歯肉のふちが赤く丸みを帯びて腫れている
・お口の中がなんだか臭う
もしかすると歯肉炎になっているかもしれません。
歯肉炎にも種類があるの?
子どもの歯肉炎は主に4つあります。
①萌出(ほうしゅつ)性歯肉炎
永久歯の奥歯が生えてくるときにみられる歯肉炎です。
永久歯が生え始めてから生え終わるまでの期間で起こりますが、歯が生えてくるにしたがっておさまってきます。
奥歯は汚れが溜まりにくいので、特に仕上げ磨きは念入りにしてあげましょう。
②不潔性歯肉炎
不十分な歯みがきで溜まってしまったプラークによって歯茎が炎症をおこしてしまう歯肉炎です。
子どもの歯肉炎では、これが最も多いのです。
十分に歯を磨けていないことが原因で起こるため、丁寧に歯みがきをしてあげたり、一度歯医者さんで歯石を取ってもらうこともおススメです。
③思春期性歯肉炎
10~15歳あたりで見られる歯肉炎です。思春期というのはホルモンバランスや生活スタイルの変化によって歯茎が腫れたり出血しやすくなります。
・毎日の歯みがき
・栄養バランスの取れた食事、
・生活習慣を整える
これらを気を付け、
ホルモンバランスを安定させることが重要になります。
④若年性歯周炎
一般的な歯周病は比較的ゆっくり進行しますが、若年性歯周炎は10~20代の若年層にみられ、急速に進行します。
プラークの付着量とは関係なく、歯を支えている骨が吸収されることにより歯周ポケットが深くなったりします。
親子二人三脚で守ろう!
子どもの歯を守るためには、毎日の仕上げ磨きやバランスの整った食事を心がけましょう。
子どもと保護者の二人三脚が必要不可欠になります。
なかなかお家でのケアが難しいこともあるかと思いますので定期的に歯医者に行くのも効果的です。子どもと保護者、歯医者の三人四脚がおすすめです。