コラム

COLUMN

誤嚥性肺炎の予防に訪問診療

 

 

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)とは

食事中に咳き込んだり、食事が始まると痰がらみのような状態になったりしていませんか。

このような症状が出ているときは、食べ物が気管の中に入り込んでしまっているかもしれません。食べ物が気管に入ってしまうことを誤嚥(ごえん)と言います。誤嚥によって細菌やウイルスが肺に入っておこる肺炎を誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)といいます。

高齢期に肺炎になると、命にかかわることもあるため、誤嚥を引き起こさないよう工夫が必要です。

 

 

高齢期になると、誤嚥しやすくなる・・

 高齢期になると、次の理由から、誤嚥しやすくなります。

・食べ物を飲みこんでも、のどに残りやすい

 (食べ物を十分噛めない、口や舌・のどの筋肉及び筋力が落ちている、唾液の出る量が少ないことなどが影響しています。)

・食べ物などが、誤って気道に入っても、せき込まない、または、せき込みが弱い

(のどの筋肉及び筋力が落ちている、のどの反射が弱いことなどが影響しています。)

 

 

誤嚥性肺炎の予防方法

  • 飲み込む力をつける

飲み込みの力を維持するため、また、唾液を出やすくするために、口やのどの体操をしましょう。飲み込む力の訓練を受け、専門的な指導を受けましょう。

口周りや、のどの筋肉・筋力が上がることに加えて、口の乾燥を防ぐことや、オーラルフレイルの予防にも繋がります。

 

  • 口の中の細菌の量を減らす

高齢期は、唾液の出る量が少ない、歯みがきが不十分、義歯の手入れが不十分などといった状況により、細菌が多く繁殖する条件が揃いやすい年代です。

口の中には、常に細菌がいますが、口の中を清潔に保つことで、細菌が増えないようにすることができます。

・起床したら、口をすすぐ

・食事のあとは歯みがきをする

 舌ブラシで舌の掃除をすると、なお効果的です

・義歯は、外して丁寧に洗う

・定期的に歯科にかかり、お口が清潔か、かみ合わせに支障がないかをみてもらう

 

 

健康維持に役立つ訪問歯科診療

訪問歯科診療には、歯や歯ぐきや入れ歯などを治す治療だけではなく、お口の健康や体操などで良好に保つ口腔ケア・嚥下訓練があります。口腔ケア・嚥下訓練により

1 ものが飲みやすくなる

2 ムセを防止できる

3 お口の乾燥が防げる

4 噛むことにより認知症防止になる

5 言葉の発音がよくなる

6 全身状態がよくなる

このようにお口の健康を保つことは、誤嚥性肺炎などの予防につながり、健康維持のために大切なことといえます。

 

 

まとめ

 

 

飲み込む力が衰え、細菌を退治する力が弱くなっている高齢者の方は、誤嚥性肺炎を予防するためにも口腔内環境を整えることが大切だといえます。

せき込んだり、呼吸が苦しそうであったりするなど気になる様子があれば、できるだけ早くご相談ください。