みなさんはどのような時に歯医者に行きますか?
最近は「歯並び」や「歯の色」を気にする方も増えてきました。
色々な理由が考えられますが、それでも多くの人が「歯が痛くなった時」と答えるでしょう。
歯が痛くなった時、ほとんどの人が「虫歯になったかもしれない」と考えるでしょう。
では、痛みのない歯は何も問題がないのでしょうか?
実はなんの症状がない歯でも、悪くなっていて治療をしないといけない時があります。
それは、「虫歯が小さい時」と「歯の神経が死んでしまっている時」です。
どんな時に痛みが出るの?
これらを説明するために、まずはなぜ虫歯になると痛みを感じるのかを知りましょう。
歯の構成として、中心には「歯髄(神経)」があります。それらを取り囲むように「象牙質」、そして一番外側に「エナメル質」という歯の組織があります。
「エナメル質」という言葉は、みなさんも聞いたことがあるのではないでしょうか?
一般的にみなさんが目にしている歯は、この「エナメル質」といわれる組織です。
そして、これら2つの組織で神経に刺激が伝わらないように守っています。
しかし、虫歯になるとこの組織が虫歯菌の酸で溶かされて、お口の中と歯の神経までの距離が短くなります。
結果、例えば冷たいものを食べた時などに刺激が神経に伝わり痛みが出るのです。
虫歯が小さい時
虫歯が小さい時は、まだ歯の組織が溶かされていないので、神経に刺激が伝わりにくく痛みが出ません。
しかし、放っておけばいずれは虫歯が大きくなるので痛みが出てきます。
また、虫歯は歯の内側に広がっていくので外から見ると黒い点にしか見えない時もあるので要注意です。
歯の神経が死んでしまっている時
一般に知られていないのが、歯の神経が死んでしまった時です。
では、そのような時に歯の神経が死んでしまうのでしょうか?
わかりやすいのは、虫歯が大きくなった時ですね。
虫歯菌の酸で歯の組織が溶かされて神経が剥き出しにされると、神経が虫歯菌に犯されて死んでしまいます。
神経が剥き出しになった時はものすごく痛いですが、しばらくその状態で過ごしていると痛みがなくなることがあります。
そのような経験をされた方もいるのではないでしょうか。
この場合は、歯が黒くなり欠けているので外から見ても悪いのがすぐにわかります。
例外的に虫歯にならなくても神経だけが死んでしまうことがあります。
コレにはさまざまな理由が考えられ、原因を特定できないことも多いです。
では、虫歯にならないで神経が死んでしまった歯はどうなるのでしょう?
実は、歯の色が暗くなります。
パッと見た感じではコーヒーやタバコによる着色にも見えます。
しかし、着色の場合は隣り合うすべての歯が似たような色になるのに対して、神経が死んでしまった場合はその歯だけが暗い色になるのです。
中央の歯は神経が死んでいます 。
でも、神経が死んでいるのだから痛みはありません。
歯の色もそんなに気にならないという人もいるでしょう。
しかし、これを放っておくとひどいことになる場合があります。
死んだ神経が原因で、歯の根の先端に病気ができることがあるのです。
しかもこれ、ただ病気ができるだけではなく歯を支えている周りの骨を溶かしてしまうことがあります。
余程ひどくならないと、それで歯が抜けて来ることはありません。
でも、ひどくなると治療してもなかなか治らなくて、場合によっては隣の歯まで悪くしてしまうことがあります。
症状が出ないことが多いので、歯医者さんによって「治療はしないでおく」という場合もありますが、定期的な経過観察は必須です。
まとめ
さて、今回は「痛みのない歯は治療の必要がない歯なの?」ということについて説明させていただきました。
痛みがない歯は、基本的に大丈夫な歯が多いです。
しかし、中には
早めに治療したほうがいい「初期の虫歯」や
歯医者さんにチェックし続けてもらったほうがいい「神経の死んだ歯」
もあるので、できれば年に1回は歯医者さんで定期検診を受けることをお勧めします。