コラム

COLUMN

若年性歯周炎とはどんな病気?

若年性歯周炎とは

 

10代〜20代前半など比較的若い年代で急速に進行する歯周病のことを指します。

通常の歯周病(慢性歯周炎)と比べて以下の特徴があります。

 

  • 進行が非常に早い

  • 歯ぐきの腫れが少なく、気づきにくい

  • 特定の歯(第一大臼歯・前歯)が早期に大きく骨を失う

  • 家族内での発症が多い(遺伝的傾向)

  • 免疫反応の異常(好中球の機能不全)などが関与

 

 

 

原因

 

いくつかの要因が関与しますが、特に重要と考えられてるのが次の点です。

 

・強い病原性を持つ歯周病菌

A. actinomycetemcomitans(アクチノバチラス・アクチノミセテムコミタンス)

Porphyromonas gingivalis(Pg菌)
これらの菌が免疫をすり抜け、急速に歯周組織を破壊します。

 

 

 

・免疫機能の異常

好中球の遊走・貪食能の低下により、 菌に対する防御が弱くなります。

 

 

 

・遺伝的・家族的要因

家族に同じタイプの歯周病がある場合、発症リスクが高まります。

 

 

 

症状

 

 

若年性歯周炎は見た目の炎症が少ないため、気づきにくいのが特徴です。

 

  • 歯ぐきの腫れは軽度なのに骨の吸収が急速に進む

  • 歯がグラグラする

  • 咬むと痛い

  • 歯が長くなったように見える(歯槽骨の吸収)

  • 特定の歯(第一大臼歯・前歯)に深い歯周ポケット

 

 

 

診断

 

歯科医院で次の検査を行い総合的に判断します。

 

  • 歯周ポケット検査

  • X線撮影(レントゲン)で骨吸収のパターン確認

  • 歯の動揺度

  • 歯周病菌検査(必要に応じて)

  • 家族歴の確認

 

 

 

治療

 

若年性歯周炎は進行が早いため、早期治療がとても重要です。

若いときから適切なブラッシングを習得すること、継続してメインテナンスを行うことが重要です。

 

 

 

■ さいごに

 

歯周炎は症状がないため自分で変化に気づくことは難しいです。

そのため、10代、20代、30代ごとに歯科受診をし、適切なブラッシングを学び、継続したメインテナンスを行うことが大切です。

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