宇宙での無重力状態では、地球上のように簡単に水を使って口をすすぐことができないため、宇宙での歯みがきには工夫が必要です。
そのため、宇宙飛行士の歯みがきは、無重力環境での特殊な条件を考慮して行われています。
宇宙飛行士の歯みがき方法
①歯みがき粉
宇宙飛行士は飲み込むことが出来る歯みがき粉を使用します。これは、通常の歯みがき粉とは異なり、飲み込んでも害がないように設計された、練り歯みがきや泡状のタイプの歯みがきです。
②歯ブラシ
地球上で使用するのと同じような歯ブラシを使いますが、無重力環境でも使いやすいように工夫されています。
③水の使用
歯ブラシに少量の水をつけるためには、特別な水のパウチから水を出します。このパウチはストロー付きで、水滴が飛び散らないようになっています。
④歯みがき手順
歯みがき粉を歯ブラシに出し、通常通りに歯をみがきます。みがいた後、口の中の歯みがき粉や食べかすを飲み込みます。このため、飲み込んでも問題のない歯みがき粉が使われます。
⑤口のすすぎ方
水を少量口に含み、口の中をすすぎますが、口をゆすいだ水を吐き出すことはありません。代わりにすすいだ水を飲み込むか、タオルに吐き出します。これにより、無重力環境で水が飛び散るのを防ぎます。
宇宙に行く前の準備
宇宙飛行士は、宇宙に行く前に歯科検診を受け、むし歯など歯の問題がないか確認します。
問題がある場合は、宇宙に行く前に治療を受けます。宇宙船には、緊急の歯科治療キットが搭載されており、応急処置が出来るようになっています。
このように、宇宙飛行士は無重力環境でもお口の健康を維持する為に、特別な方法と準備を行っています。