歯を失って噛めなくなってしまうと
認知症のリスクが高まると言われています。
さて突然ですが、皆さんは
「最近、聞こえにくくなった」
「家族や友人との会話が以前より聞き取れない」
といった症状はないでしょうか?
実は、この症状も認知症のリスクを高めてしまうとのこと!!
今回は、「歯」だけではない
「耳」という視点からの認知症予防を少しご紹介します。
そもそも耳って、どんな仕組みなの?
耳は大きく分けると3つから成り立っています。
①音を収集して鼓膜まで伝える「外耳」
②音を増幅する「中耳」
③音の振動を電気信号に変換する「内耳」
③の「内耳」には蝸牛(かぎゅう)というかたつむりのような
螺旋状の器官があり、その内部にある「有毛細胞」(音を感知する部分)が
加齢によって少なくなってしまいます。
これにより「加齢性難聴」を引き起こしやすくなります。
認知症の発症とその予防
では、どうして認知症になりやすくなるのでしょうか。
上記で説明したように、耳から入ってきた音という情報は
電気信号に変換されて脳へ伝えられます。
それがどういうことなのかというと、音を聞いているのは「耳」ですが、
音を認識しているのは「脳」なのです。
脳へ送られる電気信号には、周波数や音圧、波形などが情報化されていて
これらが脳に蓄積されているデータと照合されることで
初めて「音」として認識されます。
つまり、耳からの情報は脳全体を活性化しているのです。
加齢性難聴になることで
「聞こえにくい・聞こえない」ので
耳から入る情報量が減ってしまい
脳の老化を招いてしまうことに繋がります。
そして、認知症を発症してしまうということです。
■発症する前に予防をしよう
少しでも聞こえにくいと感じた際はまずは病院を受診しましょう。
自分の耳の聞こえがどのくらいなのか原因は何なのか、を知る必要があります。
また「補聴器」をすることで脳の機能のトレーニングにもつながります。
「補聴器」と聞くと、着けたくないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
これが認知症の予防につながります。
■補聴器にも種類がある
補聴器の種類は様々です。
①アナログ補聴器
音をそのまま電子信号として処理し、増幅するもの
②デジタル補聴器
音声信号をデジタル信号に変換することで、
騒音を抑制したり、語音を調整したりするなど信号処理をし
言葉を聞き取りやすくしたもの
形状では大きく3タイプに分かれます。
①耳穴に収めるタイプ
②耳に掛けるタイプ
③ポケットタイプ( 本体をポケットに入れてイヤホンで繋ぐ )
些細な症状を見逃さない
今回は「耳」という視点でお話をさせていただきました。
「聞こえにくい」という小さな症状を見逃したままだと
それが大きな病気へと発展してしまうこともあります。
お口と一緒で、その気づきを拾い上げることが
認知症などの病気を予防することに繋がります。
気になった方は、ぜひ耳鼻咽喉科を受診してみてください。