コラム

COLUMN

嚥下体操について

 

嚥下体操をご存じでしょうか??

 

嚥下(えんげ)とは『飲み込み』のことです。

 

嚥下では、舌やお口の周囲、首の筋肉を使います。

食べ物、飲み物を喉の方へ送り込み、喉を通過した食べ物をさらに食堂に送り込む一連の動作を指します。

 

嚥下体操はそのために必要な筋肉の体操です。

 

 

嚥下体操で誤嚥予防

 

嚥下体操の目的の一つは『誤嚥予防』のためです。

 

誤嚥とは、通常食道に行くべき食べ物や飲み物が誤って気管へと入り込んでしまうことです。食べ物や唾液に含まれる細菌が原因で、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性もあります。

 

 

食べるため以外にも

 

嚥下体操を続けていくと、食べるためだけの筋肉トレーニングだけではなく、笑顔を作ることや楽しくおしゃべりをすることにも繋がります。

 

これは使っている筋肉がほとんど同じためです。

筋肉は動かすほどリハビリになり、バランスよく協力しあう動きへと改善されます。

 

 

嚥下体操はいつ行うの?

 

嚥下体操を実施する一番良いタイミングはお食事の前でになります。

嚥下体操によりお口や頬などを動かすことで唾液がよく出るようになります。

 

これにより飲み込みやすく食べやすくなりますので、誤嚥を防ぐことにも繋がります。

 

そのほか、テレビを見ながらやお風呂に入りながらなど、ながら運動でもいいと思います。
大切なのは無理せず、毎日継続することです。お食事の前の準備体操だと思って、実践してみましょう。

 

 

嚥下体操

 

① 姿勢
リラックスして腰掛けた姿勢をとる。

 

②深呼吸
お腹に手を当てて、ゆっくり深呼吸をする。

 

③首の体操
ゆっくりと後ろを振り返る(左右行う)。
耳が肩につくようにゆっくりと首を左右に倒す。
首を左右にゆっくりと1回ずつ回す。

 

④肩の体操
両手を頭上にあげ、ゆっくりと下げる。
肩を上げてストンと落とす。
肩を前から後ろ、後ろから前にゆっくり回す。

 

⑤口の体操
口を大きく開けたり、口を閉じて歯をしっかり噛み合わせたりを繰り返す。
『ウー』『イー』を繰り返し言う。

 

⑥頬の体操
頬を膨らませたり、すぼめたりする。

 

⑦舌の体操
舌をベーっと出す。
舌で口の両端を舐める。
舌で鼻の下、顎の先を触るようにする。

 

⑧発音の練習
『パタカラ』をゆっくり、はっきり繰り返し言う。

 

⑨咳払い
お腹を押さえてエヘンと咳払いする。

 

 

まとめ

 

お食事や唾液などを飲み込む時には、頬・舌・喉などのお口の筋肉を使うことは想像しやすいですが、実は体の筋肉も大きく関係しているのです。

頭を支える首や肩の筋肉、腕や肩の筋肉がスムーズに協働して動くことで一連の動作が行えます。

さらに食べる際には姿勢も大事な要素の一つです。

 

適切な姿勢が取れないと誤嚥のリスクが高まります。

どれか一つが欠けても食べることは困難になります。

 

そのため嚥下体操には、お口だけだはなく体の筋肉を動かす要素が含まれていますので、いつまでもお口から美味しくご飯が食べられるように、嚥下体操をやってみましょう。