コラム

COLUMN

歯が痛くなった時は

 

 

 

歯が痛くなるとつらいですね。

 

痛くなったときの上手な受診の仕方と

そうならない為の準備の仕方について説明いたします。

 

 

 

1)歯科医院を受診するために探す

 

もしも祝祭日に歯が痛くなったらお困りでしょう。

歯科医院の休診日は、休日と重なっていることも多いです。

 

救急医療体制の調べ方をご紹介します。

 

市町村の広報誌、新聞の日祭日の地方欄などを見て

住んでいる地区の救急医療の体制を知っておきましょう。

 

大きな救急医療のセンターを持っている地方も有りますし、

医療機関が当番制で担当していることもあります。

 

センターがあればその場所や電話番号を何かに控えておきましょう。

 

インターネットで調べる場合、救急当番等は、

歯科医師会のホームページを介して調べるのも便利です。

 

 

 

2)痛みの種類と歯の状態を観察しましょう

 

・冷たい物がしみる

比較的小さな虫歯ができているかもしれません。

虫歯でなくて知覚過敏かもしれません。

 

噛み合わせのバランスや歯周病が原因で

歯と歯ぐきとの境目が露出してしみるのかもしれません。

 

 

・熱い物がしみる 甘い物がしみる

少し大きな虫歯の可能性があるかもしれません。

歯の神経まで進んでいることもあります。

 

 

・何もしなくても痛い ずきずきする

 

神経の炎症をおこしているかもしれません。

歯肉の急性炎症でもこのような痛みがでることがあります。

周りの歯茎の炎症が急性化している可能性があります。

 

 

・咬んだ時に痛い 

 

虫歯が原因となって根の周りに炎症が起こっているかもしれません。

歯槽膿漏があるかもしれません。

歯茎に慢性の炎症があるかもしれません。

 

 

・じわじわ嫌な感じがする 

 

根の先に慢性の病巣があることがあります。

歯槽膿漏で慢性の炎症があるかもしれません。

歯茎に慢性の炎症があるかもしれません。

 

 

・歯茎がはれている 

 

根の先の病巣が化膿して歯茎が腫れることがあります。

歯槽膿漏の自覚症状として歯茎全体の腫れや出血があります。

周りの歯茎の炎症が急性化している可能性があります。

 

 

・頬が腫れている

 

根の先の病巣が原因で顔が腫れることがあります。

歯槽膿漏が原因で起こることは少ないと思われます。

周りの歯茎の炎症が急性化している可能性があります。熱が出る事もあります。

今、緊急性が低い場合も、虫歯や歯茎の炎症を放置すると

次第に進んでいく可能性があります。

 

今困っていないからと言ってそのままにしておかず、

早めに治療を受けるようお勧めします。

 

特に慢性の炎症が有る場合など、

もしかしたら、この次の祭日、急に痛くならないとも限らないのですから。

 

 

 

歯が痛くなる前のサイン

 

①何かがしみる

 

冷たいもの→甘いもの→熱いものと、

虫歯が進行するにつれてしみるものがかわってきます。

 

冷たい物がしみるときはまだ詰めれば

なおせる程度の進行であることが多いのですが、

甘いもの、熱いものがしみるとすると虫歯は

神経の近くまで近付いていると思われます。

 

このようなものがしみることが気になる時は、今のうちに治しておきましょう。

 

 

②咬むと痛い・じわじわいやな感じがする

 

咬むと痛い時は、歯を支えている

周囲の組織の炎症が起こしていると思います。

 

かたい物を咬んだのがきっかけになって急に痛くなるかもしれません。

また、歯の根の先に慢性の病巣ができているとき、

歯槽膿漏の症状があるときに、じわじわした不快感や違和感、

歯の浮くような感じ、が続くことがあります。

 

早めに歯科を受診して何が原因か検査しておきましょう。

 

 

③歯肉の出血

 

歯ブラシの時に歯肉から出血から

血がでるようなら、歯周病が進んでいるかも知れません。

 

 

いやな味

 

歯肉の炎症による少量の膿、とれそうになっている冠からの

セメントの漏出などで、いやな味や臭いを感じることもあります。

 

忙しい時、少し変だなと思うときに

歯科医院を訪れるのは面倒なことですが症状が進行してからの通院は

回数がかかることも多く、治療にも痛みを伴う可能性があります。

 

我慢しないで歯科にご相談ください。

 

 

 

3)常備薬について

 

使ったことがあってアレルギーがないと思われる鎮痛剤があれば、

常備していてもよいでしょう。

 

使ったことのある薬でも使用の前には必ず添付文書に目を通し、

使用期限を過ぎていない事を確認しましょう。

 

病院や医院の受付時間を過ぎても空いている薬局は多いものです。

調剤薬局はしまる時間が早いことが多いですが、

普段飲んでいる薬や、これまで飲んだことある薬を把握してくれている

かかりつけの薬局があると心強いと思います。

 

近くに遅くまでやっている薬局があるようなら、

ご相談されると安心です。使用法については、薬剤師さんの指事を守って下さい。

 

その後は【必ず歯科を受診】しましょう。

 

 

 

4)定期検診で備えましょう

 

定期検診を受け、クリーニングできるかかりつけの歯科医院、

なんでも相談のできるかかりつけの歯科医師や専門的な口腔ケアや

日々の歯磨きを指導するかかりつけ歯科衛生士を持つ事で、

あらかじめ急な痛みが起こるような可能性を少なくする事ができると思います。

 

例えば、歯周病は、世界中で最も蔓延している病気です。

 

 

全世界で最も蔓延している病気は、歯周病である。 

地球上を見渡しても、病気に冒されていない 人間は、数えるほどしかいない。

歯周病は、人類史上最も感染者数の多い感染症である。

(2001年にギネス世界記録に認定されました)

 

 

 日本人の成人の約8割が歯周病だとの報告もあります。

 

また、「虫歯」と「歯周病」は”silent disease”と言われるように、

気づかないうちに病気が進行していることが多い疾患です。

 

歯が痛くなり、歯を病気で失わない為に、

歯の神経を取らざるを得ない状態まで虫歯を進行させない事、

歯周病が悪化しないように管理する事が重要になります。

 

かかりつけの歯科医院をもち、歯科医師、歯科衛生士に相談しましょう。