コラム

COLUMN

ニンゲンの歯とサメの歯

 

 

人間の永久歯は、無くなったらそれっきり生えてきませんよね。

 

しかし、我々人間は無くなった歯の代わりに、ブリッジや入れ歯を入れて歯の代わりにします。

 

 

一方、魚類。例えば、サメ

 

映画のジョーズなどで知られるサメの歯は種類にもよりますが、約200~3000本ほどと言われています。欠けたり抜けたりしても、またすぐ新しい歯が生えてきます。

 

もしあの歯が人間に生えていたら、ブリッジも入れ歯も必要ないの・・・。

どうしてサメは次から次に歯が生えてくるのでしょう。なぜ人間は生えてこないのでしょう。

 

 

サメの歯ってギザギザだと思いませんか?

 

大きさもマチマチでバラバラ。

 

思わず歯列矯正したほうがいいよ!とアドバイスしたくなるほど歯並びが悪いですよね。人間の歯が、前歯、犬歯、奥歯、と3種類の歯が並んでいるのに対し、サメは尖ったギザギザの歯がバラバラと並んでいます。

 

そのギザギザで獲物に食らいつき、食いちぎるのに適した形状にできています。しかも約2,3日ごとに歯を交換して、常に鋭い状態を保つようにできています。

サメは一生に約2万本の歯を使うと考えられています。

 

人間の歯は、歯槽骨というあごの骨に支えられ、歯根膜という膜で覆われてしっかり生えています。そのおかげで、ちょっとやそっとでは抜けません。

 

おいしい焼き肉や、炙ったスルメのような硬いものも噛んで楽しむことができます。歯周病は、あごの骨が溶けてなくなる病気で、支えがなくなった歯はぐらぐら。ぽろぽろ抜けていってしまいます。

 

 

一方、サメの歯は、歯根膜もなく歯槽骨で支えられているわけでもありません。

 

進化の過程で、ウロコの一部が発達してできたと考えられていて、歯槽骨や歯根膜はなく、骨のうえに乗っているだけで、歯は歯茎によって支えられています。

そのため、硬いものを噛むとグラグラしてポロっと抜けやすいようにできています。まるで歯周病の歯のようですね。

 

 

ですから、人間のように噛んで食事を楽しむことはありません。使い捨てのように、何度でも抜け、また抜けやすい歯が生えてきます。

 

人間の歯は、手入れさえすれば抜けずに長く使えます。歯がないと焼き肉もスルメも楽しめません。そのために、なくなった部分にブリッジや入れ歯を補填しなければいけません。

 

何度生え変わろうとも、歯周病の歯しか生えてこないとしたら、あんまりうらやましくはないですね。