コラム

COLUMN

予防歯科と日本人

 

 

 

予防歯科とは、歯や口の健康を維持するための定期的なケアと取り組みです。

歯科検診、歯磨き、食事管理、フッ素などを活用して、

虫歯の予防や将来的な治療のリスクを軽減させることを目指します。

 

日本人の予防歯科に対する意識は、一般的には外国人に比べて低いと言われています。

しかし、個人の意識や状況によってかなり異なることもわかっています。

では、どのようなことが影響してくるのでしょうか?

 

 

 

1.文化や教育の影響

 

日本の歯科医療の歴史や文化において、治療志向が強く、

歯の痛みや問題が出てから歯科医院を受講する傾向があります。

一方で外国人は虫歯がない状態を維持することを重視するため、

日本人は外国人と比較して予防の意識が低くなる傾向にあります。

 

 

 

2.健康保険制度

 

 日本の健康保険制度は、治療に関しては充実していますが、

予防に関する費用面のサポートが限定されていると感じられることがあります。

 

 

 

3.情報の普及度

 

予防歯科に関する情報は最近増加してきていますが、

それに対する一般的な認知度はまだ十分ではありません。

 

 

 

4.歯科医師のアプローチ

 

歯科医師自体のアプローチも影響します。

予防歯科に力を入れている歯科医師や歯科クリニックが増えてきていますが、

治療中心のアプローチが以前とかわらず存在します。

 

 

 

ここまでの話を集約すると、

日本人の歯科に対する文化が治療志向であるということに行きつきます。

 

この「治療志向の文化」は、日常生活において虫歯が発生したときに初めて

歯科医師が関与するというものです。この考え方にはいくつかの弊害が存在します。

 

 

 

1.早期治療の逸脱

 

治療志向の文化では、歯の痛みや問題が出てから初めて歯科医師をするために、

初期に症状を発見し、治療するチャンスを逸してしまうことが起こります。

自覚症状が出にくい歯周病などでは、早期に発見し、

適切な処置を行うことは、深刻な状態を回避するために非常に重要です。

 

 

 

2.痛みや不快感の経験

 

治療志向の文化では、歯の痛みや不快感が発生するまで

歯科医院でのケアを行わないため、非常につらい思いをすることがあります。

歯の痛みや腫れがひどくなると、日常生活を送るのにも支障をきたすことがあります。

 

 

 

3.高度な治療の必要性

 

治療志向文化では、問題が進行してからの治療が主となるため、

状態が悪化している場合にはより高度な治療が必要になることがあります。

 

 

 

4.予防の軽視

 

治療志向の文化では、予防の重要性が軽視される傾向があります。

予防歯科の基本である歯磨きなどのケアを限りなく行わず、

虫歯などが発生する可能性が高くなります。

定期的なお口の検査や清掃は、問題を未然に防ぐために重要です。

 

 

 

5.コストと時間の増加

 

治療志向の文化では、虫歯が進行してからの治療になるので

時間と費用がかかることが多いです。

日ごろから虫歯の予防をしておけば、治療費や時間は比較的少なく済みます。

 

 

 

 

総合的に言えば、治療志向の文化は一時的な痛みや問題の解決を重視する一旦、

予防アプローチを軽視してしまう傾向があります。

 

ケアを受けることで、将来的な治療の必要性を軽減させることができます。

日本人の予防歯科に対する意識は以前より向上してきていますが、

外国と比べてまだ改善の余地があると思います。