歯みがきの目的は、「悪さをする細菌を減らすこと」
歯科の病気の代表格といえばむし歯と歯周病ですが、
その細菌は性質が違い、くっつき場所もしつこさも違います。
ターゲットを狙い除去効率を上げるには、まず敵を知ること。
細菌たちがどこでどんな悪さをするか、図表を参照ください。
むし歯菌と歯周病菌では、性質も暴れる場所も違います。
なので、除去方法も使い分ける必要があります。
むし歯を防ぐなら、むし歯菌の頑丈な棲家、
バイオフィルムがターゲット。
歯周病を防ぐなら、歯周ポケットに溜まるプラークを狙い撃ち。
次は、それぞれに効く磨き方をおぼえましょう。
子どもたちはむし歯予防がメインなので、
デッキブラシタイプの歯ブラシと、歯間はフロスで。
歯周病が気になる大人たちは
細く長くやわらかいテーパード毛タイプの歯ブラシと、
毛先が届かない部分は、フロスか歯間ブラシを使用します。
むし歯、歯周病の両方が心配な方は、
2種類のハブラシの併用が効果的です。
大人になったら、子どものころに学校で教わった歯みがき法ではなく
大人向けの歯みがき法が必要になってきます。
子どもたち→ターゲットは歯面。
むし歯予防のデッキブラシタイプでスクラッピング法・フォーンズ法。
大人たち →ターゲットは歯面と歯周ポケットの両方
むし歯予防のデッキブラシタイプでスクラビング法
歯周病予防のテーパード毛タイプでバス法
注意すべきは、力を入れすぎないこと。
毛先が届いていれば、動かすことで落とせます。
磨いてるうちにだんだん力が入ってきますから
それも注意してください。
(豆知識)
以前歯ブラシをクルクル回して摩耗を防ぐ
ローリング法が推奨されました。
今は歯よりもやわらかくて除去効率が高い研磨剤が
配合されるようになり、摩耗の心配より、
効率よく細菌除去できる動かし方である
スクラビング法やバス法を推奨するようになりました。
そして、フッ素はむし歯予防の強力なサポーターです。
フッ素入り歯みがき剤は毎日お使いください。
次回は、なぜ歯みがき剤が必要か、についてお話します。
(Nico2018.8月号を参照しました)