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口腔がんってどんなもの?(口腔がんシリーズ1)

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 (参照:nico2019.9月号)

 

口腔がんはお口に中にできるがんです。舌・歯肉・口腔底・頬の粘膜・口蓋・あごの骨・唇など、歯以外のどこにでも発生する可能性があります。中でも舌にできるがんが、約6割を占めています。

年代・性別としては、60歳以上の高齢者や男性に発症しやすい傾向があるものの、昨今では女性や若者の患者も増えています。

口腔がんの初期は痛みがありません。痛みがないので、早期発見を難しくしています。また、たとえ痛みが出るほど進行していたとしても、それががんとは認識せず(患者さんがお口にがんができることを知らず)、放置して重症化するケースも少なくありません。

進行した口腔がんでは、患部を大幅に切除し、組織をからだのほかの場所から移植する必要があります。その後も化学放射線療法やお口の機能のリハビリがかかせません。しかし、早期に発見されれば切除範囲はわずかですむため、発音や発生に障害は残らずにすむことが多く、再発も少ないのです。

 

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 (参照:nico2019.9月号)

 

がんはその病変の大きさや深さと、転移の有無によって、Ⅰ~Ⅳのステージで分けられます。ステージⅠは大きさ2cm以下・深さ5mm以下。ステージⅣは4cmより大きいか10mmより深く、隣接器官への波及やリンパ節転移があります。2016年の国内158施設が協力した調査によると、口腔がんの患者2505例のうち、進行したステージⅣの状態で来院される方が35.8%。患者の3人に1人はステージⅣになってから病院にきていることになります。

一般的にがんの原因は、食事・生活習慣(お酒とタバコ)、ウイルスだといわれていますが、口腔かんではさらに、お口の粘膜への「慢性的な刺激」が原因となります。刺激が繰り返されるうち、ある時粘膜の細胞に異常が起き、口内炎から前がん病変、そして口腔がんとなるのです。

口腔がんの早期発見には、セルフチェックに加え、歯科にて舌や粘膜も診てもらいましょう。また、発症することがないように、リスクとなるお口の要因を取り除くことも大事です。