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とても増えてきています(口腔がんシリーズ2)

日本では、口腔がんは増加の一途をたどっています。現在の患者数は30年前の3倍で、死亡者数は世界でも類をみない勢いで増えているのです。

 

口腔がん 3 500

(参照:nico2019.9月号)

 

上のグラフは、日本の口腔・咽頭がんの患者数を合計したものです。口腔と咽頭は関連の深い領域のため、2つのがんは慣習的に合わせて集計されます。

お口を占める容量からみて、舌や歯、唇、顎からなる口腔と、鼻の奥から食道に至るまでの咽頭の割合は、口腔が50~60%ほど。ということは、上の棒グラフの約半分が口腔がんの患者数とします。昭和から平成に変わった1989年ごろからどんどん増加し、今では30年前の3倍の患者数です。

 

口腔がん 8 300

(参照:nico2019.9月号)

 

口腔がんは、「男性が多い」「若者はならない」というイメージがありますが、耳鼻科・口腔外科が協力した全国の調査では、約2,500人の口腔がん患者の性別・年齢は下記の表のようになってます。

1980年ごろまでは男女比3:1だったのですが、今は女性の患者も増えています。女性の社会進出にともない、ストレスやお酒・タバコを含め、食生活や生活習慣が変化したのが一因かもしれません。

また、患者は60代以降の方が多いとはいえ、若年にも見られるようになっています。

 

口腔がん2 1 500

(参照:nico2019.9月号)

 

世界においては、年間40万人以上が口腔・咽頭がんで死亡しています。上の表は、日本を含めた先進国での口腔・咽頭がんにより年間死亡者数の推移を示したグラフです。

直近では、アメリカの死亡者数は約9,500人なのに対して、日本は約7,500人。咽頭がんを含んだ数値ととはいえ、日本の3倍近い人口(3億2700万人*)のアメリカに迫っています。

これほどのハイペースで増加しているのは、先進国で日本だけという…衝撃の事実です。

      *2018年5月 米国国勢局