加齢や歯周病により歯肉が下がると歯の根元が見えてきますが、この歯肉から覗く歯根部の面を「根面」と呼びます。そして、この露出した根面がむし歯になることを「根面う蝕」といいます。
(参照:nico2018.3月号)
写真の患者は、とても熱心に歯ミガキして、歯冠部はむし歯がなくピカピカです。ですが、残念なことにそれを支える歯根部がむし歯になっています。これは、歯肉が下がり露出した根面へのケアが、行き届かなかったためです。
たとえば、建物自体は、新築時を維持できているのに、土台の柱がシロアリに食べられてしまったようなもの。支柱が崩れれば、建物もポキリと倒れてしまいます。
年齢とともに歯肉が下がることが多いため、根面う蝕は、高齢者の方の疾患というイメージですが、歯周病で歯肉が下がった若いひとも発症します。
次回は、歯冠部はピカピカなのに、なぜ根面だけがむし歯になってしまうのか、そのメカニズムを解明しましょう。